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新宿区町名の由来と歴史・・・第八回

新宿区の中でも東側は比較的古い町名や歴史が残る地域です。そこで江戸川橋から神楽坂、牛込神楽坂、牛込柳町、飯田橋、市ヶ谷周辺を中心に町の歴史や町名の由来をご紹介いたします。

今回ご紹介する町は、神楽坂、神楽河岸、揚場町、下宮比町です。

 

下宮比町(しもみやびちょう)

◆最寄駅:東京メトロ東西線「神楽坂」駅、都営大江戸線「牛込神楽坂」駅

地図データ©2024Google 「現在の下宮比町」

◆町名の由来:下宮比町の町名は、江戸期の旗本屋敷に「宮比神社(みやひじんじゃ)」を祭る武家地があり、そこから町名がついたと伝えられています。この「宮比神社」は現在、筑土八幡の境内に社殿を移しています。この宮比神社の鎮座する筑土八幡神社の由来を伝える看板によると「御祭神は宮比神で大宮売命(おおみやのめのみこと)・天鈿女命(あめのうずめのみこと)ともいわれる。古くから下宮比町一番地の旗本屋敷にあったもので、明治四十年に現在地に遷座した。」とあります。

▲現在の筑土八幡神社境内に鎮座する「宮比神社」  

▲筑土八幡神社にある「宮比神社」の由来を伝える看板

この町名は、明治5年には高台にあった場所を上宮比町、下にあった場所を下宮比町と分け、昭和26(1951)に住民の要望により上宮比町は「神楽坂4丁目」となったそうです。下の明治期の古地図『携帯番地入東京區分地圖』をみると「上宮比町」と「下宮比町」という記載が見受けられます。

出典:国立国会図書館『携帯番地入東京區分地圖』1909(明治42)年

 

揚場町(あげばちょう)

◆最寄駅:都営大江戸線「牛込神楽坂」駅、東京メトロ東西線「神楽坂」駅

地図データ©2024Google 「現在の揚場町」

◆町名の由来:揚場町の町名は、牛込揚場町として江戸初期から明治にかけて神田川の荷上げ場所として栄えたそうです。江戸時代の揚場河岸には惣物揚場が2ヵ所、尾張藩の物揚場が1ヵ所があったようで、当初の積荷は神田川から外堀の牛込揚場まで小舟で運ばれ、牛込揚場に荷揚げされたのでしょう。

下の絵は天保年間に発行された『江戸名所図会』で、その当時の揚場の様子が描かれています。絵の手前が外堀になり、荷揚げされた物資が積まれているのが描かれています。中央あたりの道が軽子坂になります。

出典:国立国会図書館『江戸名所図会 7巻』天保5−7(1834〜1836)年

下の古地図は嘉永2〜文久2(1849〜1862)年に発行された『江戸切絵図』です。左の赤丸で囲んだ部分に「揚場町」と書かれていますが、現在の揚場町(ピンクで塗りつぶした部分)とは少し違うようです。

出典:国立国会図書館『江戸切絵図』嘉永2〜文久2(1849〜1862)年

 

神楽河岸(かぐらがし)

◆最寄駅:都営大江戸線「牛込神楽坂」駅、東京メトロ東西線「神楽坂」駅

地図データ©2024Google 「現在の神楽河岸」

◆町名の由来:神楽河岸は近代に入ってから、揚場河岸から外堀(飯田堀)までを含めた一帯を「神楽河岸」という町名になりました。神楽河岸のほとんどが飯田堀を埋め立てた場所になっています。

下の絵は江戸時代の浮世絵絵師、広重による錦絵「どんどんノ図」です。「どんどん」とは牛込御門下の神田川と飯田堀の水位調整で、水が「どんどん」と音を立てて堰をこえていた様子からついたそうです。この錦絵からは飯田堀の側まで茶屋が迫っているのが見受けられます。

      出典:国立国会図書館『どんどんノ図』牛込揚場丁

 

神楽坂(かぐらざか)

◆最寄駅:都営大江戸線「牛込神楽坂」駅、東京メトロ東西線「神楽坂」駅

地図データ©2024Google 「現在の神楽坂」

◆町名の由来:神楽坂の町名は江戸時代には今の毘沙門天より坂下のことを言っていたようで、下の古地図は、江戸時代の1849〜1862年に発行された『江戸切絵図』になります。ここには神楽坂、肴町、通寺丁と3つの地名が記されていますが、明治になり住民の要望で坂の両脇が「神楽坂」となったそうです。

出典:国立国会図書館『江戸切絵図』嘉永2〜文久2(1849〜1862)年

また、明治42年の地図の「神楽坂」「上宮比町」「肴町」「通寺町」の4つの町が現在の神楽坂という町名になります。この明治期の地図の下が、江戸時代の神楽坂の様子と、神楽坂の上から見た当時の牛込御門の錦絵です。

明治期までの神楽町1丁目〜3丁目が今の神楽坂1丁目〜3丁目、上宮比町が神楽坂4丁目、肴町が神楽坂5丁目、通寺町が神楽坂6丁目になります。

出典:国立国会図書館『携帯番地入東京區分地圖』1909(明治42)年

出典:国立国会図書館「江戸名所図会 7巻」

出典:国立国会図書館『牛込御門』錦絵