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日本仏教の宗派の違い①

今回は、仏壇について宗派の違いを簡単に説明いたします。

 仏壇を見れば、そこの家がどの宗派か大まかな見分けがつきます。また、ご自身が何宗でどの宗派かわからない時は、ご実家の仏壇の様子を思い出すか、ご家族や親戚に尋ねてみるとよいでしょう。

また、仏壇に飾られているご本尊や脇仏に宗派の違いがよく現れていますので、そこを中心に見ると宗派などが見えてきます。

 

 その前に、日本の仏教宗派は大きく分けて、下記図のように15宗派に分かれます(細かくはもっとたくさんの枝葉にわかれますが)。それぞれ、どこの宗派がどのような流れからきているか、どこの宗派と繋がりがあるかを知るのも、宗派による仏壇の違いを知る上で参考になると思います。

 仏壇の装飾は大きく分けて、2つに分かれます。1つは金箔をあしらった「金仏壇」、もう一つは木目を生かした「唐木仏壇」です。

 

 「金仏壇」は主に浄土真宗で用いられることが一般的です。仏壇全体に金色をあしらい豪華絢爛な様子になります。

◆浄土真宗は、本願寺派と東本願寺派に分かれますが、その違いは仏壇内部の柱に現れます。本願寺派は内部の柱が黒く塗られ、東本願寺派は金一色で塗られています。

ご本尊は阿弥陀如来、右は親鸞の影像または「帰命尽十方無碍光如来」の十文字、左は8代宗主蓮如の影像または「南無不可思議光如来」の九文字です。

なお、他の宗派でも金仏壇を使ってはいけないという決まりはありません。

 

 次に「唐木仏壇」です。これは多くの宗派で使われている仏壇になります。シンプルなものから、細かな彫刻の施されているもの、漆で全体を塗り重厚なイメージのものまで種類は多いのですが、総称して唐木仏壇として親しまれています。

◆浄土宗は、ご本尊に阿弥陀如来、右側に高祖善導大師の像、左側には、法然上人の仏像が飾られます。

◆天台宗は、ご本尊に釈迦牟尼如来を祀り、右側に天台宗の開祖、天台大師の影像、左側に伝教大師である最澄の影像が飾られています。

◆真言宗は、ご本尊に大日如来、右に空海の像、左に不動明王の像もしくは曼荼羅が置かれます。

◆日蓮宗は、ご本尊は大曼荼羅ですが、右側と左側に置くものが関東と関西で異なります。関東では右側に大黒点が主流となり、左側に鬼子母神が主流です。関西では右に鬼子母神、左に大黒点となります。

◆曹洞宗は、ご本尊に釈迦牟尼仏、右に開祖の道元禅師、左に4代の曹洞宗蛍山宗の開祖である蛍山禅師になります。また、曹洞宗では本尊とする仏様には規定がないので、釈迦牟尼仏だけでなく阿弥陀如来や観音菩薩が飾られることもあります。

◆臨済宗は、曹洞宗と同じで、ご本尊には釈迦牟尼仏をお祀りしています。右がインド人仏教僧の達磨大師。左が観世音菩薩の仏像か花園法王になります。

 

 このように、各宗派により教えや考え方が少しずつ違うため、仏壇やご本尊などに違いが出てきます。また、地域によっても違いがありますので、ご先祖様に手を合わせる時に、今少し仏壇の細部に目を凝らしてみてはいかがでしょうか。日本独特の文化として、仏壇の中に広がる信仰の小宇宙に心で向き合えば、さまざまな想いが胸に響いてくるはずです。